検査のイメージ(聴診器と書類)

Research

エクソソーム検査の研究

粒子数、粒径、表面マーカー、内容物をどう評価するのか。

Explained

「測れた」と言うために、何をそろえる必要があるのか

エクソソームを含む細胞外小胞は、直径がおよそ30から200ナノメートルです。髪の毛の太さの数百分の一で、顕微鏡でひとつずつ数えられる大きさではありません。そのため、何を測ったのかを言うには、測り方と条件をそろえて示す必要があります。

国際細胞外小胞学会は、細胞外小胞を扱う研究が最低限そろえるべき項目をまとめた文書を、2014年、2018年、2023年と更新しながら公開しています。そこでは、どう分離したか、何をもって細胞外小胞と判断したか、どの機器でどの条件で測ったかを、結果と一緒に示すことが求められています。同じ「エクソソーム」という言葉でも、この前提が違えば数字は比べられません。

Method

数、大きさ、表面の目印、内容物は、別々の方法で測る

数と大きさは、液体の中で粒子が揺れ動く速さから求めます。小さい粒子ほど速く動くという関係を使う方法で、希釈の度合いや測定時間で結果が動くことが報告されています。だからこそ、数値だけでなく測定条件が併記されているかを見ます。

表面の目印は、粒子を1つずつ光で調べる方法で確認します。この方法は機器や設定によって見え方が変わるため、基準になる材料を一緒に測り、報告に必要な条件を明示することが求められています。

内容物、たとえばmiRNAは、集めた粒子の全体から取り出して測ります。得られるのは集団としての量であり、1粒あたりに何分子入っているかではありません。研究では、エクソソーム1粒あたりのmiRNAは平均すると1分子に満たないと報告されており、内容物の数値は集団の平均として読む必要があります。

たんぱく質については、膜にあるものと細胞質にあるものを複数種類そろえて確認します。1種類だけでは、細胞外小胞である裏づけになりません。

Sources

この解説の出典

上の解説は、査読済みの文献と学会の公式文書に基づいています。原著をご覧になりたい方はこちらから開けます。

出典の文献を見る
  1. 1.Welsh JA, Goberdhan DCI, O'Driscoll L, et al. Minimal information for studies of extracellular vesicles (MISEV2023): From basic to advanced approaches. J Extracell Vesicles. 2024;13(2):e12404.
    DOI: 10.1002/jev2.12404/PubMed: 38326288
    細胞外小胞の分離・性状確認・報告について、国際細胞外小胞学会が求める最低限の要件という記述
  2. 2.Théry C, Witwer KW, Aikawa E, et al. Minimal information for studies of extracellular vesicles 2018 (MISEV2018): a position statement of the International Society for Extracellular Vesicles and update of the MISEV2014 guidelines. J Extracell Vesicles. 2018;7(1):1535750.
    DOI: 10.1080/20013078.2018.1535750/PubMed: 30637094
    膜たんぱく質と細胞質たんぱく質を複数種類そろえて確認するという記述
  3. 3.Gardiner C, Ferreira YJ, Dragovic RA, et al. Extracellular vesicle sizing and enumeration by nanoparticle tracking analysis. J Extracell Vesicles. 2013;2:19671.
    DOI: 10.3402/jev.v2i0.19671/PubMed: 24009893
    粒子の動きから大きさと数を求める方法と、測定条件で結果が動くという記述
  4. 4.Welsh JA, Van Der Pol E, Arkesteijn GJA, et al. MIFlowCyt-EV: a framework for standardized reporting of extracellular vesicle flow cytometry experiments. J Extracell Vesicles. 2020;9(1):1713526.
    DOI: 10.1080/20013078.2020.1713526/PubMed: 32128070
    表面の目印を1粒ずつ調べる方法と、報告に必要な条件という記述
  5. 5.Görgens A, Bremer M, Ferrer-Tur R, et al. Optimisation of imaging flow cytometry for the analysis of single extracellular vesicles by using fluorescence-tagged vesicles as biological reference material. J Extracell Vesicles. 2019;8(1):1587567.
    DOI: 10.1080/20013078.2019.1587567/PubMed: 30949308
    1粒ずつの測定では、基準になる材料を置いて機器差を揃える必要があるという記述
  6. 6.Chevillet JR, Kang Q, Ruf IK, et al. Quantitative and stoichiometric analysis of the microRNA content of exosomes. Proc Natl Acad Sci U S A. 2014;111(41):14888-14893.
    DOI: 10.1073/pnas.1408301111/PubMed: 25267620
    内容物は集団としての平均値であって、1粒あたりの量ではないという記述

※ いずれも測り方と読み方の説明の根拠であり、当院の治療や検査の有効性を示すものではありません。

掲載方針

  • 本ページは研究の紹介であり、当院の治療や検査の有効性を示すものではありません。
  • 当院が使用している骨髄由来エクソソーム製剤は、医薬品医療機器等法上の承認を受けていない未承認品です。自由診療のため公的医療保険の適用外であり、有効性・安全性が国により確認された治療ではありません。
  • 掲載する内容は、査読済みの文献と学会の公式文書に基づきます。出典は各記事に明示します。
  • 査読前のプレプリントを紹介する場合は、査読前である旨を明示します。
  • 疾患名は研究の記述としてのみ扱い、当院の治療や検査と結びつけません。

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